この判決は、福島事故以来、
はじめての原発差し止め訴訟の判決である。
裁判所が福島原発をどのように受け止めているかの
試金石となる判決だったが、
この判決の良かった点、今後に悪影響を及ぼす
可能性などについてまとめ、
私たちは廃炉訴訟に向けて何をすべきかを考えることにしたい。
(市川守弘)
講師 : 市川 守弘
泊原発の廃炉をめざす会共同代表
泊原発廃炉訴訟弁護団団長
日時 : 8月23日(土) 18:30~20:30
会場 : とかちプラザ 304号室
参加費 :500円(資料代)
*参加希望の方は直接会場へお越しください。
共催:泊原発の廃炉をめざす会十勝連絡会
市民フォーラム十勝
連絡先:高倉裕一
(市民フォーラム十勝事務局長)
Tel:0155-31-6037
Fax:0155-31-6037
●判決の謄本はこちらからダウンロードできます。
5/21 関西電力大飯原発 3, 4号機運転差し止め訴訟 福井地裁判決謄本 | 原子力資料情報室(CNIC)
http://www.cnic.jp/5851
●関連ニュース
【原告勝訴の大飯原発訴訟】 福島事故に向き合う裁判官 背景に最高裁研究会 : 47トピックス – 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/47topics/e/253744.php
●判決のアウトラインです。
*主文
*事実及び理由
**第1 請求 1
**第2 事案の概要等 2
***1 事案の概要 1
***2 前提事実 2
****(1) 当事者
****(2) 大飯原発及び大飯原発周辺の概要 2
****(3) 原子力発電所の仕組み 3
****(4) 本件原発の構造 4
****(5) 使用済み核燃料 8
****(6) 本件原発に係わる安全性の審査の経緯、方法
****(7) 新規性基準及び再稼働申請 13
****(8) チェルノブイリ原発事故 15
****(9) 東日本大震災及び福島原発事故 16
****(10) 日本の原発に基準地震動S1、基準地震動S2、基準地震動Ssを上回る地震が到来した事例 17
**第3 争点及び争点に関する当事者の主張 17
***1 本件原発に求められるべき安全性、立証責任 18
****(原告らの主張) 18
****(被告の主張) 19
***2 地震の際の冷やす機能の維持について 20
****(原告らの主張) 20
****(被告の主張) 26
***3 閉じ込める構造について(使用済み核燃料の危険性について) 31
****(原告らの主張) 31
****(被告の主張) 33
***4 高濃度使用済み核燃料について 34
****(原告らの主張) 34
***5 エネルギー供給の安定性、コストについて 35
****(被告の主張) 35
****(原告らの主張) 36
***6 CO2削減について 36
****(被告の主張) 36
****(原告らの主張) 36
***7 本件原発における事故の被害が及ぶ範囲 36
****(原告らの主張) 36
****(被告の主張) 37
**第4 当裁判所の判断 38
***1 はじめに 38
ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、
身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、
その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が
求められて然るべきである。
このことは、当然の社会的要請であるとともに、
生存を基礎とする人格権が、
公法、私法を問わず、すべての法分野において、
最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においても
よって立つべき解釈上の指針である。
個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、
各人の人格に本質的なものであって、
その総体が人格権であるということができる。
人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、
また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、
我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことができない。
したがって、この人格権
とりわけ生命を守り生活を維持するという
人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、
その侵害の理由、根拠、侵害者の過失の有無や
差し止めによって受ける不利益の大きさを問うことなく、
人格権そのものに基づいて
侵害行為の差止めを請求できることになる。
人格権は各個人に由来するものであるが、
その侵害形態が多数人の人格権を同時に侵害する性質を有するとき、
その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。
***2 福島原発事故について 38
福島原発事故においては、15万人もの住民が
避難生活を余儀なくされ、
この避難の過程で少なくとも
入院患者等60名がその命を失っている。
(中略)
家族の離散という状況や劣悪な避難生活の中で
この人数を遙かに超える人が
命を縮めたことは想像に難くない。
(中略)
既に20年以上にわたりこの問題に直面し続けてきた
ウクライナ共和国、ベラルーシ共和国は、
今なお広範囲にわたって避難区域を定めている。
(中略)
それにもかかわらず、両共和国が上記の対応を
とらざるを得ないという事実は、
放射性物質のもたらす健康被害について
楽観的な見方をした上で
避難区域は最小限のもので足りるとする見解の正当性に
重大な疑問を投げかけるものである。
***3 本件原発に求められるべき安全性、立証責任 39
****(1) 原子力発電所に求められるべき安全性 39
39 生命を守り生活を維持する利益は人格権の中でも根幹部分をなす根源的な権利
40 原子力発電所の稼働は(中略)電気を生み出すための一手段(中略)人格権の中核部分よりも劣位
40 原子力発電技術の危険性は、福島原発事故で十分に明らかになった
****(2) 原子炉規制法に基づく審査との関係 41
****(3) 立証責任 42
***4 原子力発電所の特性 43
***5 冷却機能の維持について 44
***6 閉じ込めるという構造について(使用済み核燃料の危険性について) 60
***7 本件原発の現在の安全性と差止めの必要性について 64
64 確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものである
***8 原告らのその余の主張について 65
***9 被告のその余の主張について 66
66 豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活しているのが国富
***10 結論 66
原発事故は、そもそも、事故を起こすを想定していないのでありますか、ゆえに、事故が起きたらどうするこうするとのマニュアルがありません。
従って、行政としたら、動き要がないのであります。
解決先は、立法、すなわち、頼りない国会議員をうごいてもらって
きめ細やかに、被災者の国民の声を聞き、対策を練るが必要不可欠ではあるが、、、
国会議員は、行政をあてにして、何か解決策を講じるだろうと、思い行政まかせであります。
行政の各省庁のキァリア官僚たちは、国会議員から何か指示を出すだろうから、これの指示をまつかと、のんきにかまえているのであります。
という、両者の相手が何か言うだろう待ちとなっているので、、
この3,11が過ぎて、三年を超えたが、何も進展しないは、ここに問題か゛あります、、、、、
ということは、被災者が主体となって、計画、企画を立案して行動をとらなければ、なにも進展しません。
ましてや、多大な労力を要求される裁判に全力投球とは、無駄なエネルギーの浪費にしかなりません。
裁判するエネルギーを、賠償の問題、復興の計画等に費やされるを、ご期待申しあげます。
弁護団の方々のご努力、ご苦労様です。
これから、控訴審、最高裁へとの道のりがあります。
さ残念ですが、最高裁では、判決の予想としては、原発再稼働の「可」となるが、濃厚と思います。
なぜなら、最高裁としては、原発行政の基本的理念は、「原子力基本法」を主体として、吟味するであろうと類推します。
これに基づき、40から50に及ぶ、法令、政令、条例、施行規則などを、照らし合わせますと、ことごとく、原告の主張を求める多法令が、見当たらないのであります。
また、多大なる天災の場合は、賠償をしなくて良い法令もあり、
放射性物質による汚染は、公害防止法にも、これらから除外するという条項もあり、電力会社、政府、経済産業省は、刑事罰をかせることができない法令もあります。
水質汚濁防止法
(昭和四十五年十二月二十五日法律第百三十八号)
第二十三条 この法律の規定は、放射性物質による水質の汚濁及びその防止については、適用しない。
2 次の表の上欄に掲げる者に関しては、同表の中欄に掲げる事業場又は施設について、同表の下欄に定める規定は適用せず、鉱山保安法 (昭和二十四年法律第七十号)、電気事業法 (昭和三十九年法律第百七十号)又は海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律 (昭和四十五年法律第百三十六号)の相当規定の定めるところによる。
大気汚染防止法
(昭和四十三年六月十日法律第九十七号)
(適用除外等)
第二十七条 この法律の規定は、放射性物質による大気の汚染及びその防止については、適用しない。
原子力損害の賠償に関する法律
(昭和三十六年六月十七日法律第百四十七号)
(無過失責任、責任の集中等)
第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
2 前項の場合において、その損害が原子力事業者間の核燃料物質等の運搬により生じたものであるときは、当該原子力事業者間に特約がない限り、当該核燃料物質等の発送人である原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。